慶應義塾大学SFCの総合政策学部と環境情報学部について調べてみた
こんにちは。KOTE(こて)です。
前回記事にもしましたが息子も何とか留年を回避し、無事に3年生に進級できました。とりあえず今はほっとしております。
3年生になると次はいよいよ大学になりますので、どの学部に進学するのかを決めていかなければなりません。
息子は理系コースか文系コースかで悩んだ末に文系コースを選びました。そうなると選択できる学部は法学部、経済学部、商学部、文学部、SFCの2学部、となります。
それぞれの学部に進学できる枠(人数)が決まってますので、希望さえすれば進めるということではなく、成績を取らなければなりません。
成績の良い順に希望学部を選んでいくわけです。で、枠が埋まればその学部は終了となり、まだ枠が残っている学部の中から選択することになります。
いずれにしても来年の春にはこの中のどこかの学部へ進むことになります(留年しなければ)。
そこで今回は慶應大学の中でも特に異彩を放つSFCについて調べてみました。
法学部、経済学部、商学部、文学部はどのような勉強をするのか大体イメージはつくのですが、SFCだけは良く分かりません。
私も以前からこの学部に興味はありました。でも実際には何をしている学部なのかよく分からない学部だというのが実感でした。
私の友人のお子さんも現在進行形で通われていますが、友人にどういう内容なのか聞いたこともありましたが、イマイチよく分かりませんでした。
理系なのか文系なのか、具体的にどういうことを学ぶ学部なのか、などなど調べてみました。
概要
名称:慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)
住所:〒252-0882 神奈川県藤沢市遠藤5322
アクセス:
①小田急江ノ島線・相鉄いずみ野線・横浜市営地下鉄ブルーライン「湘南台」駅下車
西口よりバス「慶応大学」行き約15分「慶応大学本館前」下車
②JR東海道線「辻堂」駅下車
北口よりバス「慶応大学」行き約21分「慶応大学本館前」下車
最寄り駅は「湘南台」又は「辻堂」、どちらの駅からもさらにバス利用となり結構通いづらいイメージはあります。
これも相鉄いずみ野線延伸計画によって2030年(予定)にはSFCの間近に新駅が誕生する予定ですので、これにより解決される見込みですがこれは後の章で。
またSFCには慶應附属の中学生や高校生もいますので、バス利用の生徒さんが多すぎるせいか2両連結のバスがあるようです。私は2両連結のバスというものを見たことありませんので一度見てみたいです。
さらに車で通う生徒さんもいるようです。
車で通学する生徒さんの為に、保守管理室(湘南コミュニティー)のほうでキャンパス周辺の7つの駐車場と契約を行っており、それぞれ6ヶ月間の契約で使用可能となります。
教室までの移動のしやすさなどにより料金が分かれているようです。だいたい相場は15,000円から20,000円ぐらいとのこと。
総合政策学部・情報環境学部 両学部の内容について
さて問題はここからです。
問題といいますか、一番興味のあるところです。
まず総合政策学部と環境情報学部の違いは何か。
両学部の特徴などを箇条書きにします。
- 両学部とも一般入試の倍率高め。
- 総合政策学部:2019年8.5倍、2020年8.4倍。
- 環境情報学部:2019年10.1倍、2020年9.4倍。
- 総合政策は理系寄りの文系、環境情報は文系寄りの理系という位置づけ。
- 入試に関しては両学部とも、英語+小論文、数学+小論文、情報+小論文、英語+数学+小論文のいずれかを選択。英語+小論文のような文系科目で入学しても建築やバイオテクノロジー、医療などのガッツリ理系の授業も選択可能。
- 両学部ともに卒業までに必要な単位は124単位。
- 両学部の履修科目の違いはそれぞれの学部の必修科目である1科目のみ。環境情報学部は環境情報学、総合政策学部は総合政策学の単位取得は必須。その上で、環境情報の学生が総合政策学を取ることも可能。その逆も然り。そうなると両学部の違いはほぼ「無い」。
- プログラミング、言語、体育、数学(データサイエンス)は必修。体育での留年者は毎年一定数発生する。
- 何となくの棲み分けとして、技術系の研究室には環境情報の学生が多く、法律や国際などの文系テーマには総合政策の学生が多めに分布している傾向。
- 文理問わず様々な授業の選択が可能。
- 所謂「楽単」は4年間で取り切れないほどある。ただ卒業したいだけなら楽単を組み合わせることで卒業は可能。
- 1年生から研究会(ゼミ)に入れる。ゼミの掛け持ちも可能(他大学では一般的にゼミは3年生から)。但し人気ゼミは抽選もある。
- 分野を横断できる。
- 自分の興味のある分野のゼミが高い確率である。
- 英語だけで教える授業がある(GIGA)。
- 浅く広くもOK、深く狭くもOK。
その他の特徴
- キャンパスがきれい。
- 緑が多い。
- 校舎の名前が覚えづらい(アルファ館、イオタ館、シグマ館、オミクロン館、オメガ館、エプシロン館など)。
- お昼休みがないので、授業を聞きながらの飲食が許可されている。
- 有名人多数。
- 特定分野に秀でた人多数。
- 起業家多数。
- 帰国子女又は留学経験者がほとんど。
- 海外留学生多数、国際色豊か。
- 館内全域にインターネット環境あり。
- 学生の使用しているPCはほぼ全員Mac。
- メディアセンター充実ぶりがすごい(下記4点、誰でも使用可)。
- データベースが充実
- 3Dプリンタ、UVプリンタ、レーザーカッターなど
- 4K対応・ビデオカメラ、一眼レフカメラなど貸し出し
- 音楽制作エリア、映像編集エリア、音響・撮影スタジオあり
調べた限り上記のような特徴があります。
一般的な大学とは違う授業内容、履修の仕組み、学生の多様さなどがうかがえます。
施設もすごいですね。
とても面白そうです。
私が受験生であれば間違いなく真剣に検討する学校だと思います。明大卒の私が受かるかどうかはもちろん別の話ですが、でももし高校3年生に戻れるならチャレンジしてみたいと思える大学ですね。
内部進学生の進学率
さて内部進学生の進学実績を調べてみたいと思います。
慶應大学附属の高校は以下の5校。
- 慶應義塾高校
- 慶應義塾女子高等学校
- 慶應義塾志木高等学校
- 慶應義塾湘南藤沢高等部
- 慶應義塾ニューヨーク学院
この中からニューヨーク学院を除く4校からのSFCへの進学実績を確認します。ニューヨーク学院はホームページに進路が記載されていませんでしたので、ニューヨーク学院からの進学者数については確認できませんでした。
各校からの進学率にはばらつきはあるもののやはり上昇傾向にあるように見えます。
特に2019年度、2020年度にかけて進学率が上昇しています。
湘南藤沢高等部は元々同じ場所なのでアクセスについての抵抗感はなく、キャンパスにも慣れているので選択しやすいように思います。
それにしても、2016年度の11.76%から2019年度には21.25%、2020年度も19.48%と約2倍に伸び、全体の2割程度の生徒がSFCへ進学、明らかに上昇していると言えます。
慶應女子は直近の1年間分しか分かりませんでしたので複数年の推移としては分からないのですが、2020年度で学年全体の約8%がSFCへ進学しています。決して少なくない数字だと思います。
塾高からも2019年度、2020年度はやはり増えています。2018年度は2.94%ですが、2019年度は9.16%へ上昇しています。
塾高の卒業者数は例年約700人前後ですが、2019年度は卒業者数が800人を超えております。2019年度の人数上昇にはもしかしたらその影響があったのかもしれません。しかし2020年度も6.97%と大きく下がることなく推移しており、また2019年度は湘南藤沢高等部や志木高からも増えていることなどから、やはり上昇傾向にあると見てよいかと思います。
志木高からSFCへの進学率は各附属校の中で一番低いです。志木高は埼玉にある学校なので、やはりアクセスが問題になるように思います。それでも2019年度、2020年度と少しずつ増えております。
以上のことから、内部進学生のSFCへの進学率は上昇傾向と言えると思います。
相鉄いずみ野線延伸計画について
相鉄いずみ野線の延伸計画があります。
現状では冒頭の概要欄に記載しましたとおり湘南台駅又は辻堂駅が最寄り駅となっており、それぞれの駅からさらにバスを利用する必要があります。
延伸計画では湘南台からSFCの中間ぐらいの地点に1つ目の駅が出来、2つ目の駅としてSFCの目の前に新駅が出来る予定です。
東急線の日吉駅へ直通となり、慶應義塾大学の湘南藤沢キャンパスと日吉キャンパス、さらに東急目黒線に接続する都営三田線の三田駅にある三田キャンパスの3つが1本の線路で結ばれることが予想されます。
現在SFCから日吉までは約1時間半。
SFC新駅が開通すれば、それが約40分程度まで大幅に短縮されます。
完成すれば慶應大学の3キャンパスがひとつの線路でつながるということになり、まさに“慶應線”と呼ぶに相応しいと言われています。
2030年開通の予定です。
この相鉄延伸計画を強力に推進していた一人が前神奈川県知事の松沢成文さんです。中等部から慶應に入学し、慶應義塾高校から法学部政治学科へと進んでいます。
また同時期に相鉄ホールディングスの社長を務め本計画を推進していたのは現在の会長である林栄一さんです。この方もまた慶應大学法学部卒となります。
慶應OBの繋がりは強力です。
まさに社中協力の精神ですね!
まとめ
今回調べてみてなんとなくですがイメージが湧いてきました。
私が調べた限りですが、ほとんど悪い点は無いように思えます。
あえて言うならアクセスは良いとは言えないので、上記の通り相鉄いずみ野線が延伸されるまでは通学が少し大変かなという気はします。
自分が学生の頃を振り返ってみると大学で何をやりたいとか将来何をやりたいとか全然決まってなかったと思います。まだ進みたい学部が決まってない方や1つの学部に固定したくないような方にはとても向いていると思います。
また、やりたいことは決まっていても既存の学部に当てはまる学部がないように人も向いていると思います。
さらに必修科目が少ないことや、履修が自由に組める仕組みなどは途中で学びたい分野が変わってしまったようなケースにも十分対応可能のように思います。
総じて学び方がとにかく自由。
その自由で柔軟な仕組みや発想が起業家などを多く輩出する理由の1つでもあるのではないでしょうか。
例えばとりあえず入学してからやりたい事を探すことも出来るし、やりたい事が決まればそれがどんな分野であっても高い確率でそのゼミがあって、とことん突き詰めることも出来る。
それでもし途中でやりたいことが変わってもまたそれにも対応できる、という誰のどんな考えにも対応可能なスーパー自由でユーティリティ性の高い学部であるという印象を受けました。
あえて逆の見方をすれば、あまりに自由過ぎるがゆえに楽単のみで卒業してしまうようなことも出来てしまうので、そうなると専門性が身に付かず卒業した後に何も残らなかったなんてことにもなってしまうかもしれません。
しかし、ある程度は自分で自分の方向性を決めていくことは必要だと思います。
これはどの学部に進んでも一緒です。
その前提で考えるのであれば、SFCの2学部は十分に魅力的で自分の可能性を広げられる選択肢と言えるのではないかと思います。
もしSFCに行きたいという方は総合政策、環境情報の両学部とも受験してみるのが良いのではないでしょうか。
実際に両方受けて片方だけ受かったという方もいます。 入学後は上記の通りどちらの学部から入っても学部間の垣根はなく、自分で自由に好きな事を学ぶことが出来ますのでSFCで学びたい方は是非両学部受験を検討してみて下さい。
では!